特別養護老人ホーム「総合ケアセンター明治清流苑」
木々に囲まれたやさしい空気感、癒やしの空間の創出
〜施設を超えて住まいに近い福祉施設〜
2014年10月 カナダ林産業審議会(COFI)「2✕4建築デザインアワード(大型建築部門)」受賞
「木造建築のすすめ」(一般社団法人 木を活かす建築推進協議会 編集協力:国土交通省住宅曲 平成21年11月 発行)に、用途別紹介のページで特別養護老人ホームの例として紹介されました。
概要
建設地 | 大分県大分市大字猪野 |
---|---|
敷地面積 | 6,932㎡ |
延床面積 | 4,469㎡(バルコニーを含む) |
建築面積 | 2,039㎡ |
構造 | 枠組壁工法(2X4)耐火木造+RC造(地下部) |
規模 | 地上2階地下1階 |
施工会社 | 安藤建設株式会社九州支店(当時) |
工期 | 2005年11月4日~2006年6月20日 |
施設構成 | 特養5ユニット(49床)、ショートステイ(11床) |
2✕4工法による耐火木造を採用した理由
- 施主が欧米の2×4エ法に輿味を持っていたため。
- 2 X4工法の特徴として耐震性、耐火性が高く、断熱効果に優れ、結露しにくいため。
- 建設コストがRC造より安価におさえられること 。
- RC造より工期の短縮化が図れること(パネル化による工期の短縮 )。
- 建設時におけるCO2排出の削減と木材が資源として再利用可能であること(地球環境への配慮)。
- スタッフの施設内歩行時の足への負担軽減と利用者の転倒時の怪我を軽減(RC造に比べて床に衝撃吸収性があるため)。
主な特徴
- 高齢者の福祉施設ということもあり、北向き居室を作らないよ配慮しつつも動線が長くならないように十字型プランを採用。
- 中央ホール(高さ8.5m)を設け、建物の中央部を明るくすることにより、自然と人々が集まってくる”安心の空間”を作り出している。
- 周辺の地域環境に溶け込む形状や色調に配慮しつつ、内装は落ち着いた大正ロマン風に、外装は明るい色調のスペイン風にした。
- 壁材に珪藻土を用い、快適な空気環境を作り出す工夫 をしている。
- 居室に面する回廊式のバルコニー(全周260m)を設け、居室から一歩外へ出て、風、におい、音、四季の変化を身体全体で感じながら暮らせるように、内部でもない外部でもない中間的な領域を設けた。
- 近憐地域への貢献として、地階に地域交流スペースを設け、非常時災害時の防災拠点として、また四季折々の備事等に提供できるようにしている。
- 厚生労働省の推進するユニットケアの導入(※)
- ユニットケアとは10人以下のグループを1ユニットとし、1つの”家族”と考え、少人数で家庭的な雰囲気の中で介護ケアを行うことを指し、入居者一人ひとりの尊厳が守られるプライベートス ペース(個室・居室)と他の入居者や介護スタッフと交流できるパブリックスペース(居間・共同生活室)を設け、個性や生活リズムに応じて暮らしていけるようサポートできる間取りとしている。
- 当時では日本最大規模の耐火木造建築